どうも、tzwです。
もうすぐ霊気紛争プレリですね…と思ったら、突然の告知が。
告知日:2017年1月9日
発効日:2017年1月20日
Magic Online 発効日:2017年1月11日

スタンダード
《約束された終末、エムラクール》禁止
《密輸人の回転翼機》禁止
《反射魔道士》禁止
モダン
《ギタクシア派の調査》禁止
《ゴルガリの墓トロール》禁止

次回禁止制限告知:2017年3月13日

http://mtg-jp.com/publicity/0018224/#

この告知に対してはさまざまな意見があると思います。
特にスタンダードプレイヤーの方々には大きな影響があるでしょう。なんたって、今の上位メタのデッキは、今回禁止されたカードのどれかがデッキに入っているからです。

せっかく買った、またはパックから当てたカードが突然使えなくなってしまうのは、プレイヤーとして悲しいことですし、WotCに怒りを向けたくなることは理解できます。ですが、これらのカードがマジックをつまらなくしていることもまた事実ではあると思います(これらのカードは、使う側としては非常に楽しいカードです。そしてそういうカードは、使われるとイライラするものなのです。)。

というわけで、今回禁止されたカードと、それによって影響を受けるデッキについて考えてみたいと思います。
(今日は休みだから、時間はいっぱいあるのさw)


《約束された終末、エムラクール/Emrakul, the Promised End(EMN)》

このカードの素晴らしい点は、膠着した盤面であっても、このカード1枚であっさりと決着をつけることができることです。13/13飛行トランプルという圧倒的なスペックを持ち、さらに相手のターンをコントロールして戦場を荒らし、手札をボロボロにして反撃の機会すら与えない…追加ターンというデメリットもほとんど機能してません。
おそらく、WotCは「このカードが出ればゲーム終了。大抵の相手は対応できない。」というカードがスタンダード環境で多く使用されるのは良くないことだと思っているのでしょう。確かにその通りだと思います。
このカードは各種《霊気池の驚異》デッキのフィニッシャーとして採用されており、しかもかなり早いタイミングで唱えることが可能です。リアニメイトするのとは異なり、ターンをコントロールする能力が使えるのは非常に脅威です。《絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hunger》も酷いことをしますが、反撃の機会である手札をボロボロにすることはありません。そこまでやられると、プレイヤーのやる気は大きく削がれてしまいます。まあ現状では禁止でも仕方ないでしょう。

さて、これによって《霊気池の驚異》デッキと緑黒昂揚が大きく影響を受けますが、前者は《絶え間ない飢餓、ウラモグ》《墓後家蜘蛛、イシュカナ/Ishkanah, Grafwidow(EMN)》の2枚看板をフィニッシャーに据えることになると思います。また《密輸人の回転翼機/Smuggler’s Copter》禁止によりPWも使いやすくなるため、《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》や《先駆ける者、ナヒリ/Nahiri, the Harbinger》はこれまで以上に活躍の場が広がるでしょう。黒緑昂揚については、デッキの構成を大きく変更するチャンスとなりました。これまでは《約束された終末、エムラクール》のためにカードタイプを散らばらせる構築が必要となっていましたが、今後は昂揚達成のみ考えればいいため、全てのカードタイプをデッキに入れる必要がなくなったのです。緑黒昂揚のデッキリストに大きな幅が生まれるという良い面が見られると期待しています。


《密輸人の回転翼機/Smuggler’s Copter(KLD)》

これは現在のスタンダードで最も使われている機体…どころか、最も使われているカードとなっているのは皆さんご存知でしょう。スタンダードでは最高の2マナ域であり、3/3飛行というマナレシオを超えたスペックを持ち、ルーティング効果まである。しかも搭乗はわずか1と至れり尽くせりなカードです。しかし、機体という特性+飛行によって、ソーサリー除去が効かない、PWの活躍の場が少なくなるという問題点があります。…まあ、これらは裏返せば機体という新しいカードタイプの強みなのですが、そうであっても環境への影響が大きすぎました。公式の声明でも、新しいカードタイプを推しすぎてしまったという反省もあるようです。
では、新セットで対抗策となるカードを刷ればいいじゃないかという意見もありますが、それもまた問題ではないでしょうか。確かに霊気紛争では新しいアーティファクト破壊カードがいくつか登場し、3/3飛行を止められるクリーチャーも登場しています。しかし、《密輸人の回転翼機》を常に意識しなくてはならないデッキ構築を縛られていることには変わりがないのです。「よしデッキを作ろう。まずメインに《密輸人の回転翼機》4枚、ヘリコプターに強いカード4枚、そしてサイドに《断片化/Fragmentize》4だ!」という環境が健全とは言えません。そしてそういう環境は、「メインに《断片化/Fragmentize》4でよくね?」となり、歪んだデッキ構築を肯定させてしまう結果になりえます(まるでダークスティール期のミラディンブロックですね)。また、これではソーサリー速度の除去に対する回答にもなっていないですね。
《密輸人の回転翼機》禁止により、青白フラッシュや各種機体アグロは大きく弱体化するでしょう。機体やアーティファクトへの依存度を下げるチューンをしたり、《耕作者の荷馬車/Cultivator’s Caravan》の採用率が上がったり、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》などのPWを多く採用して速度を落とすプランも考えられます。そうそう、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》は今回の禁止制限改定で一番の恩恵を受けたカードかもしれません。これからはこいつを除去するために、《破滅の道/Ruinous Path》《餌食/To the Slaughter》《苦渋の破棄/Anguished Unmaking》がさらに使われるようになる可能性もありそうです。


《反射魔道士/Reflector Mage(OGW)》

こいつは正直予想外でした。強い強いと言われ続け、忌み嫌われ続けましたが、《集合した中隊/Collected Company》時代ほどの強さはなくなったので、このリストに載る可能性はもうないだろうと思っていました。ただ、このカードを(使われて)嫌うプレイヤーが多いことは事実であり、現在も決して弱いカードではありません。
ただ、『不満がたまりやすい』という理由で禁止にしたカードって珍しいですね。《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》《第二の日の出/Second Sunrise》のような大会運営に影響するとかならわかるのですが。WotCは青白フラッシュをスタンダードの脅威と認識しているようなので、その中で禁止するならこれというのはまあ分からんでもないです。
今後、青白フラッシュは《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger》や《模範的な造り手/Toolcraft Exemplar》といったアグロなカードを投入するか、ミッドレンジ寄りにして戦場のコントロールを目指すかの2択を迫られると思います。なんたって2種類もカードが使えなくなってしまいましたからね。ただ、対戦相手は《密輸人の回転翼機》を出してくることはもう無いし、ターンが長引いても《約束された終末、エムラクール》がゲームを終焉に導くことももうありません。《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》だけではなく、《ドビン・バーン/Dovin Baan》の活躍の場が増えるかもしれませんね。


モダンは省略。


というわけで、長々と3枚の禁止カードについて語ってきました。
私も緑黒昂揚を使用しているので、エムラ禁止は正直影響が大きいです。
ですが上記にて語った通り、環境の変化とデッキの幅が大きく変わることは間違いなく、霊気紛争後の環境がどう変化するか楽しみにしてます。

そして、もう一つ重要な変更点を忘れてはなりません。
それは禁止制限告知のタイミングが変わるということです。
禁止制限告知は、スタンダードで使えるセットのプレリリース後の月曜日と、プロツアーの5週間後の月曜日の両方で行われるようになります。

http://mtg-jp.com/publicity/0018224/#

これにより、禁止制限告知のタイミングが年8回となり、環境の変化や新セット発売に合わせて柔軟に変更する機会を得たということになります。
これは禁止カードが今後増える懸念がある一方で、環境が変われば禁止解除の可能性もより高まるということが言えるでしょう。カラデシュの空から消えた《密輸人の回転翼機》は、アモンケットの空に無いとは限らないのです。
禁止制限告知がより良いマジックの環境を作り出してくれることを祈りつつ、このクソ長い長文を終わらせたいと思います。

それではみなさん、新しいカラデシュの空をお楽しみください。
プレリでまたお会いしましょう。

コメント

ハリー
2017年1月10日10:55

反射魔道士だけ意外でしたね
エムラはトップメタの2種に採用されてますし、コプターは入ってないデッキのほうが少なかったですが

青白は使わないので個人的には嫌いなカードでしたがそこまで壊れって感じでもなかったので驚きました

TZW@LABO
2017年1月10日11:26

>ハリーさん

《反射魔道士》も実際は結構壊れたカードなんですけどねw
プレイを禁止する能力が良くなかった。大きな《大クラゲ/Man-o’-War》ならまだ許せるんだけど、カードを唱えられないってプレイヤーにとって結構なストレスになりますからね。
一方、《呪文捕らえ/Spell Queller》は除去された時のリスクがあるから、今回の改訂を生き延びたと思います。

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索