第一回:Postデッキ(青単Post、青赤Post、青黒t赤Post、緑単Post)

第二回:青単・白単(青単クロックパーミッション、青単メガパーミッション、白単ビートダウン)
http://pggreatgoodbadpoor.diarynote.jp/201201102209504927/

第三回:緑単ビートダウン(緑単感染、緑青感染、緑単ストンピィ)
http://pggreatgoodbadpoor.diarynote.jp/201201120415323169/

第四回:黒単・赤単(黒単コントロール、赤単バーン、赤単ゴブリン)
http://pggreatgoodbadpoor.diarynote.jp/201201170611197407/

第五回:ストーム(青赤ストーム、青黒赤ストーム、白青黒ストーム)
http://pggreatgoodbadpoor.diarynote.jp/201201260025472774/

最終回:親和とその他(親和、上陸ボロス、白単Post、緑白クローク、緑黒拷問生活)
http://pggreatgoodbadpoor.diarynote.jp/201201262206224449/



どうも、tzwです。
今回はレポをお休みにして、ちょっとPauperとそのデッキを紹介したいと思います。


≪1.Pauperとは?≫

PauperはMO上で公認となっているフォーマットの一つで、MOでコモンカードとして収録しているカードのみでデッキを作る、構築戦の一つです。
公認構築戦ですので、2人構築やデイリーイベント、TNMOなどでも採用されており、もちろん構築レーティングも変動します。
デイリーイベントでは毎回20人~40人くらいの参加者がいます。スタンダードやドラフトほどではないですが、人気あるフォーマットの一つだと思います。

特徴としては、コモンカードという非常に安価なカードでデッキを組むので、構築戦にしては非常に敷居が低い点が挙げられます。
メイン・サイド両方で10tixくらいあればデイリーイベントで賞品圏内を狙えるので、MOを始めたての方にもお勧めできます。
さらにメタゲームも存在し、カードが安いのでメタに合わせてデッキを簡単に変更できることも強みですね。
DEの賞品がマスクスじゃなくてM12なのも(まだ)助かりますねw

注意点としては、MO上で一度でもコモンカードとして収録したカードが使えるといったことです。
例えば《ゴブリンの女看守/Goblin Matron》は第7版でアンコモン収録ですが、ウルザズ・サーガでコモン収録されているので、Pauperで使用可能です。
しかし、リアルではコモンで収録されている《Sinkhole》は、MO上ではMasters Edition 4のみの収録で、レアリティがレアに格上げされているので使用不可。《Hymn to Tourach(FEM)》もMO上ではMasters Editionでアンコモンなので使用不可です。
またその逆に、《Gravebind(ICE)》はアイスエイジのレアカードですが、MO上ではMasters Edition4でコモン収録なのでPauperで使用可能です(こんなカードを使う必要があるかは不明ですがw)。
ですので、リアルでPauperをやるという方がいたら、その辺は注意しましょう。

あと、禁止カードも存在します。
この記事を書いている2012/1/8現在の禁止カードは《頭蓋囲い/Cranial Plating(5DN)》《大あわての捜索/Frantic Search(ULG)》の2枚です。
ここも注意しましょう。



≪2.現在のメタ上位デッキ ~Postデッキ~≫

最近のデイリーイベントで上位入賞しているデッキを参考に、どんなデッキが流行っているのかを見てみましょう。
ついでにCardbot様での販売価格も掲載しておきました(2012/1/8現在)。青字は1tix以上のカードを、赤字は5tix以上のカードとなっています。ご参考にどうぞ。

まずは最近よく上位に目立っている青系Postデッキから。

『青単《雲上の座/Cloudpost》コントロール』
by manimal421
Pauper Daily #3253715(1/7)4戦全勝

【メインデッキ:60】
14《島/Island》
4《雲上の座/Cloudpost(MRD)》(0.88tix)
4《微光地/Glimmerpost(SOM)》

4《熟考漂い/Mulldrifter(LRW)》
4《海門の神官/Sea Gate Oracle(ROE)》
3《ウラモグの破壊者/Ulamog’s Crusher(ROE)》

4《探検の地図/Expedition Map(ZEN)》
3《鋸刃の矢/Serrated Arrows(TSB)》(9.18tix)

1《綿密な分析/Deep Analysis(TOR)》(1.68tix)
2《定業/Preordain(M11)》

4《マナ漏出/Mana Leak(M12)》
4《対抗呪文/Counterspell(7ED)》
4《蓄積した知識/Accumulated Knowledge(NEM)》(1.93tix)
2《転覆/Capsize(TMP)》
3《卑下/Condescend(5DN)》(0.57tix)


【サイドボード:15】
2《絡み線の壁/Wall of Tanglecord(SOM)》
3《払拭/Dispel(WWK)》
4《水流破/Hydroblast(5ED)》(3.21tix)
4《海賊の魔除け/Piracy Charm(PLC)》
2《残響する真実/Echoing Truth(DST)》(1.6tix)

Postデッキは《雲上の座/Cloudpost(MRD)》によるマナ加速と、《熟考漂い/Mulldrifter(LRW)》によるドロー加速を軸としたデッキです。
序盤こそ遅いものの、《海門の神官/Sea Gate Oracle(ROE)》や《鋸刃の矢/Serrated Arrows(TSB)》で序盤を耐えつつ、ドローサポートや《探検の地図/Expedition Map(ZEN)》によるPostサーチでマナを伸ばすことが可能。
一度マナを伸ばしてしまえば、あとは《ウラモグの破壊者/Ulamog’s Crusher(ROE)》が文字通り相手の場を破壊し、《転覆/Capsize(TMP)》バイバックモードで盤面をコントロールします。
青単ということもあり、カウンターが多く採用できるのも強みですね。ビートダウンの後続を止めたり、コンボカードを打ち消すこともできます。
このデッキがメタの上位に来ている要因としては、コントロール力の高さに加え、《微光地/Glimmerpost(SOM)》によるライフゲインがビートダウンに非常に強いということが挙げられます。
序盤は大したライフゲインにもなりませんが、中盤以降は4点以上のライフゲインが当たり前のようにでき、さらに《転覆》がバイバックで使えるようになれば、毎ターン6点以上のライフゲインといったビート泣かせの行動すら可能です。
サイド後は《絡み線の壁/Wall of Tanglecord(SOM)》《海賊の魔除け/Piracy Charm(PLC)》がビートダウンに非常に刺さりやすいですね。コンボ相手でも《払拭/Dispel(WWK)》でカウンターしたり、《巣穴からの総出/Empty the Warrens(TSP)》ストームには《残響する真実/Echoing Truth(DST)》が良く効きます。

また、青単以外にも、多色のPostデッキも多数存在します。むしろそちらのほうが現在の主流です。
『青赤《雲上の座/Cloudpost》コントロール』
by PauloCabral_Br
Pauper Daily #3253715(1/7)3勝1敗

【メインデッキ:60】
8《島/Island》
6《山/Mountain(ISD)》
1《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse(M11)》
1《進化する未開地/Evolving Wilds(ROE)》
4《雲上の座/Cloudpost(MRD)》
4《微光地/Glimmerpost(SOM)》

4《熟考漂い/Mulldrifter(LRW)》
2《ウラモグの破壊者/Ulamog’s Crusher(ROE)》

1《探検の地図/Expedition Map(ZEN)》
4《予言のプリズム/Prophetic Prism(ROE)》
2《鋸刃の矢/Serrated Arrows(TSB)》

4《定業/Preordain(M11)》
3《炎の稲妻/Firebolt(ODY)》(0.35tix)
4《炎の斬りつけ/Flame Slash(ROE)》
3《強迫的な研究/Compulsive Research(RAV)》
1《綿密な分析/Deep Analysis(TOR)》
1《とどろく雷鳴/Rolling Thunder(TMP)》

1《禁制/Prohibit(INV)》
2《マナ漏出/Mana Leak(M12)》
1《転覆/Capsize(TMP)》
3《卑下/Condescend(5DN)》


【サイドボード:15】
3《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman(ALL)》(4.36tix)
2《水流破/Hydroblast(5ED)》
3《紅蓮破/Pyroblast(5ED)》(1.96tix)
2《地鳴りの揺るぎ/Seismic Shudder(ZEN)》
4《石の雨/Stone Rain(9ED)》
1《鋸刃の矢/Serrated Arrows(TSB)》

現在のメタゲームで良く勝っているのはこの青赤Postデッキです。
赤の軽量火力を追加することで、序盤の対ビート耐性を高めることに成功しています。
Pauperでは多色土地がほとんど無く、多色にすることは事故の可能性を高めることになるのですが、このデッキでは《予言のプリズム/Prophetic Prism(ROE)》を採用しています。
これによりPostデッキの多色化が容易となり、またキャントリップもあるのでアドバンテージを失わないこともポイント。
以前は《イゼットの印鑑/Izzet Signet(GPT)》などの印鑑シリーズが入っていたスロットですが、そもそもPostデッキはマナに困ることが少ないので、マナ加速よりはアドを優先したということなのでしょうか。
また《予言のプリズム》はどの色でも出るため、《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy(ISD)》《神秘の指導/Mystical Teachings(TSP)》《古えの遺恨/Ancient Grudge(ISD)》のフラッシュバックのために入れるデッキもあります。ここは印鑑にはできない芸当ですね。

サイドボードの《石の雨/Stone Rain(9ED)》は、最近多発するPostミラーマッチで重要なカードです。
さらに《地の裂け目/Earth Rift(ODY)》をメインに数枚採用しているデッキもあり、メタはPostデッキが中心になっていると言ってもいいと思います。
《ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman(ALL)》は親和デッキ対策でもありますが、相手の《予言のプリズム》を破壊して事故を誘発させるカードでもあります。
『青黒t赤《雲上の座/Cloudpost》コントロール』
by Mixir19
Pauper Daily #3253691(1/6)3勝1敗

【メインデッキ:60】
7《島/Island》
5《沼/Swamp》
1《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse(M11)》
3《ゆらめく岩屋/Shimmering Grotto(ISD)》
4《雲上の座/Cloudpost(MRD)》
4《微光地/Glimmerpost(SOM)》

4《熟考漂い/Mulldrifter(LRW)》
1《記憶の壁/Mnemonic Wall(ROE)》
1《ウラモグの破壊者/Ulamog’s Crusher(ROE)》

3《予言のプリズム/Prophetic Prism(ROE)》

1《定業/Preordain(M11)》
3《無垢の血/Innocent Blood(ODY)》(0.76tix)
3《調査/Probe(INV)》
1《とどろく雷鳴/Rolling Thunder(TMP)》

2《渦まく知識/Brainstorm(MMQ)》
1《否認/Negate(M12)》
1《マナ漏出/Mana Leak(M12)》
1《残響する衰微/Echoing Decay(DST)》(0.20tix)
1《無残な収穫/Grim Harvest(CSP)》
2《苦悶のねじれ/Agony Warp(ALA)》
2《対抗呪文/Counterspell(7ED)》
2《破滅の刃/Doom Blade(M12)》
1《転覆/Capsize(TMP)》
3《神秘の指導/Mystical Teachings(TSP)》
3《卑下/Condescend(5DN)》


【サイドボード:15】
2《ウェザーシード・フェアリー/Weatherseed Faeries(ULG)》
2《強迫/Duress(M11)》
3《消灯/Curfew(USG)》
3《払拭/Dispel(WWK)》
3《水流破/Hydroblast(5ED)》
2《残響する衰微/Echoing Decay(DST)》

こちらは青黒版。Pauper版《神秘の指導/Mystical Teachings(TSP)》デッキと言ってもよさそうです。
黒を採用することで、クリーチャー対策を自然と取ることができるだけではなく、《調査/Probe(INV)》《強迫/Duress(M11)》といった手札破壊が可能となり、コントロールデッキに強くなっています。
1枚挿しの《無残な収穫/Grim Harvest(CSP)》は除去された《ウラモグの破壊者/Ulamog’s Crusher(ROE)》を回収したり、想起でプレイした《熟考漂い/Mulldrifter(LRW)》を回収したりなど、幅広い活躍が期待できそうです。

普段は使いにくい《ゆらめく岩屋/Shimmering Grotto(ISD)》も、大量にマナが出るこのデッキでは、アーティファクト破壊の効かないマナフィルターとして使えます。
マナフィルター6枚体制なら、1枚挿しの《とどろく雷鳴》もプレイできるかもしれませんね。《記憶の壁/Mnemonic Wall(ROE)》で使いまわせば、ビートダウンデッキはすぐに投了に追い込まれるでしょう。
『緑単《雲上の座/Cloudpost》』
by NIWAKA
Pauper Daily #3253715(1/7)3勝1敗

【メインデッキ:60】
11《森/Forest》
4《平穏な茂み/Tranquil Thicket(ONS)》
4《雲上の座/Cloudpost(MRD)》
4《微光地/Glimmerpost(SOM)》

4《根の壁/Wall of Roots(TSB)》
4《草茂る胸壁/Overgrown Battlement(ROE)》
2《激情の共感者/Fierce Empath(SCG)》
4《ラノワールの歩哨/Llanowar Sentinel(10E)》
1《野心の発動者/Wildheart Invoker(ROE)》
3《暗影の蜘蛛/Penumbra Spider(TSP)》
4《オーロクスの獣群/Aurochs Herd(CSP)》
3《ウラモグの破壊者/Ulamog’s Crusher(ROE)》

4《鋸刃の矢/Serrated Arrows(TSB)》

4《探検/Explore(WWK)》
4《ムウォンヴーリーの酸苔/Mwonvuli Acid-Moss(TSP)》


【サイドボード:15】
2《散弾の射手/Scattershot Archer(CON)》
2《松族の狙撃手/Matsu-Tribe Sniper(BOK)》
1《枝細工下げの古老/Wickerbough Elder(EVE)》
1《ファングレンの匪賊/Fangren Marauder(MBS)》
1《隠れたる蜘蛛/Hidden Spider(USG)》
4《上機嫌の破壊/Gleeful Sabotage(SHM)》
4《刈り取りと種まき/Reap and Sow(DST)》

こちらは緑単。緑単はPostに頼らずともマナ加速ができる点がポイント。
除去カードはPostデッキでは恒例の《鋸刃の矢》だけですが、《根の壁/Wall of Roots(TSB)》《草茂る胸壁/Overgrown Battlement(ROE)》といった壁たちが序盤の防御を行ってくれます。
マナ加速から《オーロクスの獣群/Aurochs Herd(CSP)》《ウラモグの破壊者》を連打するのが勝ち筋で、それらをサーチする《激情の共感者/Fierce Empath(SCG)》は非常によい働きをしてくれます。
《ムウォンヴーリーの酸苔/Mwonvuli Acid-Moss(TSP)》《刈り取りと種まき/Reap and Sow(DST)》によって、メインから土地破壊が取れるため、Postミラーに強い構成になっています。

個人的には1枚挿しの《野心の発動者/Wildheart Invoker(ROE)》がナイスですね。修正値が大きいだけでなく、トランプルもつくので、チャンプブロックすら許してくれません。
Postミラーでの《ウラモグの破壊者》ミラーで、一方的に相手のエルドラージを葬れるのもポイントです!

サイドボードは同系対策と、この手のデッキが苦手とする青単クロックパーミをメタっていますね。
メインの《暗影の蜘蛛/Penumbra Spider(CMD)》に加え、サイドの《松族の狙撃手/Matsu-Tribe Sniper(BOK)》《散弾の射手/Scattershot Archer(CON)》《隠れたる蜘蛛/Hidden Spider(USG)》と、飛行クリーチャーを目の敵にするカードが多数入っています。
また展開力の高い親和デッキ対策となるアーティファクト破壊カードも多いですね。同系のマナアーティファクトを狙うのにも使えます。



今回はここまで。
最近は《鋸刃の矢》というPauperでも高額なカードが流行っているせいで、初めての方には手を出しにくいデッキから紹介してしまいました。
しかし、今回紹介したPostデッキは本当によく見るデッキなので、メタゲーム上ぜひ知っておいて欲しかったデッキなので、今回紹介することとしましたの。ご理解くださいませ。

次回は青単クロックパーミッション、白単ビート、緑単感染を紹介する予定です。
それらも最近よく見るデッキなので、是非押さえておきたいですね。

それでは、また次回お会いしましょう。

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